第26回関西大会 日本再生ー少食が世界を救うー

                 「日本再生―少食が世界を救う―」
                  ―食・教育・健康対策の実際―
             第26回研究講演会(一般公開)NPO日本綜合医学会関西大会

                       2013年12月1日(日)
              開場09:45開演10:00閉会16:05    会場 大阪朝日生命ホール
                    主催NPO法人日本綜合医学会関西部会
関西部会会長・学会頭 福原宏一 大会運営委員長 小山 登 大会事務局長 大杉幸毅  

入場料 2,500(前売券)3,000(当日)
 ごあいさつ                                        大会運営委員長 小山 登
 もう何年も『日本再生』-こころと食の健康管理‐をテーマに関西大会は継続して訴えて参りました。周りを見れば相変わらず自分の事だけで精一杯がんばっているつもりですが、大きく社会を動かすまでには至ってない。ここにきて「1020年東京オリンピック招致」に成功した。しかしながら「国際公約」2011年3月11日の後始末が大変である。今こそ国民を上げて『福島の復興なくして、日本の復興はない』と謂われて久しい。このことに集中して国際人として辱めのない自律を確立しよう。
関西大会プログラム
開会10:00 開会宣言 小山 登 10:05 学会頭挨拶 医学博士 福原宏一
発表1 穀物大作戦を開始しましょう!」10:15~10:45                         食養指導士 上条 貴子
講演1 「医・農・食 連携のこれから」 10:45~11:45                            渡邊 昌 先生
NPO日本綜合医学会会長。生命科学振興会理事長。慶応大学医学部卒。米国ガン研究所、国立がんセンター研究所疫学部長、国立健康・栄養研究所理事長、東京農業大学教授を歴任。内閣府食育推進評価専門委員会座長。厚生科学審議会委員。「医と食」編集長。
著書:「食事でガンは防げる」「糖尿病は薬なしで治せる」「薬なし食事と運動で糖尿病を治す」「栄養学原論」など多数。
本部ご挨拶 11:45~12:00                                        理事長代行 杉山親嗣 

昼休み 12:00~13:00
癒しのミニコンサート                                            韓 史花さん
大阪生まれ。京都市立堀川高校音楽科卒業(現・京都市立京都堀川音楽高等学校)卒業後ウィーン国立音楽大学演奏家コースピアノ科入学。同大学卒業後、同大学院を満場一致の最高点を得て修了。ウイーンムジークセミナー主催ヨーゼフ・ディヒラーコンクール1位、マリアカナルス国際コンクールディプロム賞。ソリスト・室内楽奏者として、またマスターコースにおけるレッスン通訳を行うなど幅広く活躍。大阪北摂(茨木・箕面)においてピアノ教室を主宰し、後進の指導にも力を注いでいる。
講演2 「長生きしたければ食べてはいけない」                                船瀬 俊介先生
環境問題を専門とするジャーナリスト、評論家、エコロジスト。福岡県立田川高等学校卒業、九州大学理学部中退、早稲田大学第一文学部社会学科卒業。大学在学中より生協活動に携わる。日本消費者連盟の編集者を経て、1986年独立。 主に消費者・環境にかかわる分野の題材で取材、執筆を続けている。著書『抗ガン剤で殺される』『知ってはいけない!?』
『買ってはいけない』『悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」--ミツバチが消えた「沈黙の夏」--』『ガン検診は受けてはいけない!』『「長生き」したければ食べてはいけない』など多数。

休憩   14:35~14:50
 大討論会 「日本再生への道」 -健康社会の実現を目指して―
パネラー  船瀬 俊介、昇 幹夫、福原宏一、森 美智代の各先生方                コーディネ―ター  小山 登
 閉会の挨拶   16:00~16:05                                  関西部会事務局 大杉幸毅

 

 

 

 

 

 

パネルディスカッション

大会抄録集より

           ―ゲルソン療法の勧めー

 

                             学会頭・日本綜合医学会副会長 医学博士 福原宏一

 

 

 

 ドイツ人医師のゲルソン博士は1940年代より癌の食事療法を行い、優れた成果を上げました。ゲルソン療法の要点は、①未精白の穀類を主食とした菜食を行う。②人参ジュースと青菜のジュースを十分量飲用する。③完全無塩食とする。④コーヒー浣腸を行う。禁止事項として薫製や火を通した油物が挙げられます。

 

 日々の食事は日本では玄米菜食でよく、蛋白質は大豆とその製品からとり、油はアマニ油・シソ油・エゴマ油を加熱せずにふりかけるだけとします。甘味は黒糖・蜂蜜・果物からとりますが、過量にならないようにします。食材は無農薬有機栽培のものが望ましいことは言うまでもありませんが、すぐ入手できない場合はまず市販の普通食材を用いて療法を開始するべきです。

 

 ジュースは原法では人参も青菜もジューサーで作った汁だけをコップ1杯ずつ1時間おきに朝から夕まで113回飲用し、ジュースを飲むために他の水分をとることを禁止しています。味をよくするためにリンゴやレモンを用いてもかまいません。ジュースは作ってから時間を置かずにすぐ飲用します。

 

 無塩食にするのは癌細胞はブドウ糖を分解する無酸素反応の過程しか利用できず、正常細胞と異なって低い塩分濃度ではその反応が進まないからです。癌細胞はエネルギー不足に陥り、十分増殖できなくなります。

 

 コーヒー浣腸はぬるま湯にインスタントコーヒーを飲む濃度くらいに溶けばよく、何もむつかしいことはありません。

 

 ゲルソン博士は彼の療法により結核や偏頭痛が治り、不妊の夫婦に子が授かったと述べています。この療法が肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常症を伴うメタボリックシンドロームや花粉症・喘息・アトピー性皮膚炎などのアレルギーに有効なことは疑いありません。血管の疾患である虚血性心疾患や脳卒中を予防するのも確実です。

 

 野菜ジュースはビタミンACEやカロチン・ファイトケミカルなどの抗酸化物を多量に含んでいます。アルツハイマー病やパーキンソン病では活性酸素によって神経が障害を受けることが明らかにされています。神経変性疾患はどれも難病です。ゲルソン療法によって人類のどれほど多くの難病が改善するのか期待がふくらみます。

 

 

日本再生—少食が世界を救う

 

 

 

               日本綜合医学会理事長代行    日本パック株式会社 代表取締役 杉山 親嗣

 

大阪大会開催にあたり、ご挨拶を申し上げます。

 日本綜合医学会 NPO法人第二代理事長 岩崎輝明氏の1018日に脳幹出血による突然の訃報を、未だ受けとめることが出来ません。本部で理事長代行に任命されました杉山親嗣です。生前平成19年5月に前理事長の岩崎輝明先生より「食事道のすすめ 自然法則で健康に生きるPARTⅡ」を頂きました。その一部をご紹介致します。

  誰しもが幸福な人生を送りたいと願っています。この本の中で小泉信三先生(元慶応大学塾長)は、幸福の条件に、第一は「健康」、第二は「やりがいのある仕事を持つこと」、第三に「趣味を持つこと」、第四に「余暇を持つこと」を挙げています。しかしこの条件に叶う人はそう多くはありません。私はそれを掘り下げて、人生には「苦しい人生」と「豊かな人生」の2つがあると考えます。「苦しい人生」は「健康」に問題があります。それで「仕事」がうまくいかない。結果、所得減になり家庭内に問題が生じ、挫折崩壊の人生になるか、又、「豊かな人生」は健康に問題があっても、「仕事」「経済」「家庭」がうまくいく事が出来る豊かな人生になる。人生を変えるには「健康」「仕事」「経済」「家庭」「趣味」「余暇」「知命」などバランスのとれた人生になる考え方の「生活習慣病」の改善が重要です。特に、考え方には①現状•現場•現物の位置から見る「プッシュ思考」と②夢•到達点(あるべき姿をグランドデザインした『未来』)から見る「プル思考」の2つがあります。改善•改良の原因管理、作業と仕事の違いを理解し、①『今の積み重ねこそ大事』で見るか、②『夢•到達点•未来から現在を見る』か、自分の人生の幸福を①、②のどちらの考え方で見るか必要となってきます。「今は」将来•「過去は」今。人生設計とは、未来への意思表示をして自分の考え方を明確にすることが、人生を幸福にする近道と考えます。 

 

 「健康」とは人の身体の原則に従うことだと思います。歯は32本で犬歯は上下左右に4本、前歯は8本、小臼歯は8本、大臼歯は12本です。人間の食べる内容は、動物肉魚類は1(できれば小魚を丸ごと。甲田光雄先生指導)野菜類2、豆類•木の実2、穀類4、果物1くらいの割合にすれば、人間の血液及び体液のpHは安定し、恒常性を維持できるといわれております。前述の食べ方でこれをよく噛んで食べる事が脳の刺激になり、だ液が消化酵素を出し消化が進むと腸の働きが活発になり、お腹がすきグーグーと鳴り腸の運動がおき、病気の元である宿便を出して、薬に頼らなくても自然に健康に戻るようになっています。又、脊髄のズレを金魚運動、毛管運動、背腹運動をしてその日のズレを、修正することも重要です。「食事道のすすめ」で前岩崎理事長も甲田光雄先生も動物であるかぎり、少食こそ平和の近道だとおっしゃっています。動物の世界では、7080%は飢餓の状態です。特に日本人は飢餓遺伝子を持ち、旨味を感じる事が出来る唯一の民族です。

 

 結果、少食でよく噛んで食べると、長寿者遺伝子のスイッチが入って、健康で長生きができると考えられます。この行動により健康人が増加すればするほど、医療費が大幅に削減できます。これを実現出来るように、この大会を通し会員の皆様に日本再生のために少食の重要性をお伝えし、さらに一人でも多くの方にお伝え頂き、会員の増加にご協力頂ければと思いますので宜しくお願い致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

船瀬俊介さん

          『長生きしたければ、食べてはいけない』
                                    船 瀬 俊 介

「カロリー6割に制限したネズミは二倍以上生きた!」
 1935年、米、コーネル大、マッケイ教授の論文です。
「腹八分に医者いらず」「腹六分で老いを忘れる」「腹四分で仏に近づく」
 これは1万年もの歴史を持つヨガの教えです。
 奇しくも、同じ真実を伝えているのです。
 さらに……。
「貧しきものは幸いなるかな」「飽くほど食らうなかれ」
 これは、イエス・キリスト山上の垂訓として伝えられます。やはり、同じ真理を聖人は人々に伝えています。
 私たちは、これら先人の箴言を、もう一度、現代の人類を救う叡智として受け止めるべきです。
 一方で、現代人はかつてないほどの不健康に苦しんでいます。
 最悪はアメリカ人です。先進17カ国中最低。そして、医療費は最高なのです。そして、文化的にも“占領”されてしまった日本人の健康も、そのアメリカを追いかけています。 ガン、心臓病、糖尿病、脳卒中、肥満などは年々悪化の一途です。これら生活習慣病と呼ばれます。その悪しき生活習慣の第一が飽食なのです。第二が洋食です。
 これら“食べまちがい”の最大原因は、現代栄養学にあります。そのルーツは、ドイツのファイト栄養学にたどりつきます。“近代栄養学の父”と呼ばれるフォイト栄養学は、根本的に誤っています。「良いものは食べ過ぎるということはない」。これが同栄養学の骨子です。さらに、ファイトは「もっとも優れた栄養素は動物性たんぱく、すなわち“肉”である」と断言しています。そして当時ドイツ国民に必要量の3倍もの「“肉”を食べよ!」と勧めたのです。しかし、近年、動物たんぱくこそが史上最悪の発ガン物質である……という驚愕事実も証明されてます。(『チャイナ・スタディ』コリン・キャンベル他)
 さらに、長寿遺伝子が発見され、それはカロリー制限によって発現するという事実も立証されています。最新の科学が、最古の智慧……ヨガの教訓を証明したのです。
 ――カロリー半減すると、寿命は倍増する――
 数多くの実験が、それを立証しています。つまり、現代人もまた必要量の二倍食べているため、大自然が与えてくれた寿命を半減させていることになります。
「食べる工夫でなく、食べない工夫をしろ」「空腹を楽しめ」
 このヨガの教訓が、現代の人類と地球を救うのです。(了)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上條貴子さん

 

 

 

 

          穀物大作戦を開始しましょう!      

 

                           食養指導士 上條貴子

 年を追うごとに確実に世の中の流れが学院の理念に近づき、求められる時代であることを感じ、一歩前へ歩み出される方が増えればと思い、今までの活動経緯をご紹介申し上げます。一般的には、食養指導士=ベジタリアンとのイメージが強いようですが、ベジタはVegetable(野菜)が由来ではなくVEGETUS(ラテン語)で「活氣ある」「生命力に満ち溢れた」「完全な」が語源です。ですので「野菜ばかりを食べる人」ではなく【玄米】をしっかり食べましょう!と紐解いていく人と理解いただけるような活動を進めていきたいと考えています。そこで、山口学院長の著書で紹介されている、30年以上も前から指導されていた発芽玄米ジュースを煮て簡単に玄米クリームを作る方法を用いて、玄米の姿はなくとも、あらゆるメニューに玄米を混ぜ込み、知らずに食べさせることができる「穀物大作戦!」と名付けた調理法をお伝えしています。この調理法ですと、玄米の良さは理解していても噛む力・胃腸が弱い方や玄米を炊く時間がないという方でも、簡単に玄米食を取り入れることができるからです。それと、動物性食品を穀物に置き換えることで飢餓を救うことにもつながるのです。JICA(国際協力機構)が世界の飢餓を救うために食糧増産支援を稲作と決めた理由は、日本国内での災害食への備えにも通じるものですのでご紹介します。

 

1飢餓35%を占めるアフリカで作れるもの

 

2単位収穫量が多いもの

 

3干ばつにも強く作りやすい 

 

4コストが少ない(化学肥料は高い)

 

5常温保存で備蓄できる。

 

6栄養素があり主食の条件を満たすもの 

 

7料理しやすくおいしい

 

米の需要が減っている国内での指導と玄米調理法の普及は、飢餓を救うことと同様に必要で、共通のポイントは未精白の穀物を食べることです。

 

最後になりましたが、学院の発展を願って、知識と実践をつなぐための食養教室と、農家・企業・消費者をつなぐ穀物大作戦!を展開することを提案させていただきます。そうすることで、日本食の立て直しには食養指導士の活動が不可欠になるように感じるからです。今後、共に活動の輪を広げていけるよう、興味を持っていただけた方は、是非、企画をしてお誘い下さいませ。各地域で「穀物大作戦!」を開始して、先導し活躍できるよう心より願っております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

癒しの音楽 ピアニスト 韓 吏花さん