第28回関西大会 7月9日(日)

大阪朝日生命ホール

食事で治そう生活習慣病 自分で延ばそう健康寿命

 

 第28回関西大会にむけて 

 

健康をめぐる環境

 

皆様ご承知のように私たちの健康を取り巻く環境は年々厳しくなっています。国民医療費は毎年1兆円以上増加を続け、平成27年は41.5兆円にもなり一般会計の約4割を占めています。なぜこのように増加するのでしょうか?そして医学が発達しているのになぜ病人が増えるのでしょうか?以前なかったアトピー性皮膚炎や花粉症が今や当たり前のようになり、がん、高血圧症、脳梗塞、認知症や寝たきりなどの要介護者がなぜ増加するのでしょうか?また、最近は子供の発達障害や若者のうつ病が増え自殺が増加しています。日本は今や未曾有の超少子高齢化社会に突入しています。税収は減り、医療・介護など福祉予算は増加していきます。このままいけば国の借金は増加し続け、いずれ財政破綻するでしょう。将来に負の遺産を残さないためにどうすればいいのでしょうか?

 

急激な日本社会の変化と食物劣化

 

それにはまず現状を知り、原因を解明することではないでしょうか。そこに見えてくるものは戦後の日本社会の大きな変化です。食生活、農畜水産業、食品加工、住環境、育児法、医療など社会・自然環境のあらゆる面で大きく変わりました。例えば、食生活では和食(米・魚食)から洋食(パン・肉食)が多くなり、高脂肪・高カロリー食になりました。これが大腸がん、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、アトピー性皮膚炎などの増加の一因と言われています。また、健康を維持するはずの食物が劣化しています。ミネラル・ビタミン欠乏の問題では、戦後化学肥料の大量投入により農地はやせた土壌になって野菜などの農産物からミネラル・ビタミンが非常に減少しています。加工食品では調理過程でミネラルが抜け、ファミレスや家庭では天然だしを使わず化学調味料を使うのでミネラル不足になっています。ミネラル・ビタミンの不足は酵素力、免疫力、治癒力を低下させ、心も含めたあらゆる病気にかかりやすくなります。又、多肥農産物にはチッソ分が多く含まれ、体内に入ると硝酸態窒素となり、これががんや最近増えた糖尿病の一因と言われています。日本の農薬の使用量(単位面積当たり)は中国、韓国に次いで世界第3位です。畜産飼料の成長ホルモン混入が子宮体がんなどのホルモン依存性がん発生数の増加と無関係ではない、とする論文が「日本癌治療学会」などで発表されました。つまり単品では健康を害さないまでも、見た目は美味しそうだが中身は栄養素の乏しい食品が蔓延しているのです。

 

産業・医療ビジネス化の構造

 

また一方で医療がビジネス化している現実があります。例えば高血圧症を例にとると、東北大学の調査では、全国で約3000万人の患者さんが降圧剤を服用し、市場は1兆円規模です。高血圧の基準値は、以前「年齢+90」又は160であったのが140に下げられたからです。しかも、大手製薬会社が臨床試験データを改ざんしていたことが発覚しました。降圧剤では根治しないので一生飲み続ける必要があります。常用している高齢者は、脳の血の巡りが悪くなるために、脳内に酸素や栄養が行き渡らないので早くボケてしまう傾向もあり、脳血管性の認知症になる可能性もあるのです。しかし、薬を使わず食と生活習慣を改善し、全身の血液循環を良くすることで治るということはあまり知られていません。以上の例から解るように、石油化学産業により農薬、化学肥料、食品添加物、建築資材(シックハウス)、合成洗剤、消臭剤、化粧品、殺虫剤などの日用有害化学製剤や環境ホルモンなどが複合的に作用して病気が増加し、治療薬の副作用で更に新たな病気を作り、また投薬するという構造になっているのです。私たちは病気が増える石油化学文明の構造に気づき、国民の意識改革をしなければ健康社会は実現できないでしょう。レイチェル・カーソンが警告した「沈黙の春」は気づかないうちにじわじわと進んでいます。田圃に蛙やドジョウや昆虫がいない異常さに気づくべきです。それにはマスメディアでは決して流されない綜合医学的観点からの役立つ真実の情報が必要です。薬に頼らない、お金のかからない健康法や地球環境に優しい生き方が必要でしょう。

 

28回関西大会研究発表・講演

 

そこで関西部会では次の企画をしました。最近子供たちに増加している発達障害の原因が判ってきたのです。それはネオニコチノイド系農薬が関与しているという衝撃的な事実です。以前からミツバチがいなくなったと騒がれましたが、人の神経にも障害するのです。この研究成果を発表して下さるのは環境脳神経科学研究の第一人者黒田洋一郎博士です。また食の改善で多くのアトピー性皮膚炎の子供たちを良くした食養指導士の谷尾敦子さんが開発した独自の理論と方法を、料理研究家の梅崎和子さんがおいしい食養料理の作り方を発表してくださいます。当学会会長渡辺昌博士はご自身の糖尿病を食の改善で治した体験をもとに、薬を使わないで生活習慣病を治す方法を教えてくださいます。その他にも関西部会所属の現役医師、医学博士、鍼灸師、治療家が食養生と心とからだの健康法についての実践的研究成果を発表します。

 

新企画―ふれあいのワークショップ

 

また、従来の聞くだけの一方通行の講演会ではなく、新規会員増強策も視野に入れた視聴者参加体験型による「出会いとふれあいのワークショップ」を企画しました。今回は講師の先生方5名による「健康医療相談コーナー」、プロの治療師による「癒しコーナー」を行います。更に若い世代も安心して聴講できるように「保育室」(保育士常駐、要事前予約)を設置します。交流会では名刺交換だけの場ではなく、講師を交えた参加者の活発な意見交換を致します。

 

皆様が健康を維持し、更に社会と地球の健康と調和を求める生き方が必要とされています。今回の大会が必ず皆様のお役に立てると信じております。また、ご意見ご提案がありましたら関西部会事務局までお寄せください。

 

どうか皆様、お友達をお誘いあわせの上ご来場をお待ちしております。

 

                   関西部会事務局 理事 大杉幸毅